音感トレーニング-2

無機質な訓練

よくある「音感トレーニングの練習」です。
「ドレドミドファドソド・・・」の様にある音を起点としてそのバリエーションを訓練するというもの…「相対音感」という言葉をそのまま解釈するとこんな練習が思いつきそうですが…

また、ランダムに音を鳴らして音当てクイズをするというトレーニングとか… 

こんな感じのアプリもけっこうあったりするので、私も幾つか試してみました。
しかし、これらのトレーニングではあまり良い効果が得られないというのが私の正直な感想です。

あまりにも無機質な音の捉え方だし、しかもコード感やフレーズの流れを伴っていないので、実践的な場面ではあまり役に立たないと感じました。

メロディーとコードの相互作用

とりあえず音源を聴いてみてください。


メロディーの音は「ド、ド」「レ、レ」「シ、シ」「ド、ド」。
バックには「C M7・Dm7・G7・C M7」というコードが鳴っています。
単純明快な「明るい曲」です。

ではここで、バックのコードだけを変えてみます。

Am7・Bm7♭5・E7・Am7と変更しました。

メロディーは全く同じなのに一瞬で「暗い曲」に変化します。
すると「音の表情も変わった」と思いませんか?
これこそが音楽的な音の感じ方だと思うのです。

音のキャラは変化する

コードが変わると音の色も雰囲気も変わる… さてここで「悩んだ人」もいるかと… 
私もその一人です。「同じ音なのに感じ方が変わるとは何事か?」と… 
「音の色や個性を覚えましょう」的な説明はよく耳にしますが、
コードの中の「役割」で音は表情を変えるという点についてはあまり語られていません。

例えば「ド」の音だけをとって考えても、これに合うコードなんて山ほどあります。
C・D7・Dm7… A♭・D♭M7・Fm7… などなど、他にも莫大な数のコードが考えられます。
実際に鳴らしてみましょう。


どうですか?
それぞれに違うキャラクターになります。

なので「単独で音を理解しよう」とするよりは、音楽の流れの中でフレーズを把握する方が遥かに現実的です。メロディーもコードも「流れの中でこそ意味を持つ」のだと思うのです

赤ちゃんが言葉を覚えるようにとにかく印象に残るフレーズを、片っ端から覚えて言葉(単語)のストックを増やす! トレーニングをして覚えたフレーズはあとで絶対に使うのです。
それらを繋げて文章にする! これが出来れば音楽で話せるという段取りです。

移動ド読み

相対音感でトレーニングを始めるのに必要なのが「移動ド」の知識です。
音を聞き取る時や、読む(声に出して歌う)時にも「厄介な存在」となるのが「#と♭」ですね。
「ドのシャープ」とか「ミのフラット」とか… ここだけ無駄に時間を取ります
なのでこれを「一つの読みにする」というのが西塚方式です。
慣れるまではちょっと困惑しますが、どう考えても合理的だと思うので「採用!」としました。


そしてもう一つ大切な音感があります。コード(和音)に対する感覚、認識です。
以前にご紹介したサイトずっしーの音楽教室」では『コード進行感』ということで説明をされていましたが、これはもうムチャクチャ大事「メロディーとコードの相互作用」を理解しながらの習得は絶対に必要だと思います。
この辺りの具体的なトレーニング例も後々ご紹介したいと思っています。

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