これ、かなり大切です!

あまり馴染みのないコードネームを見ると
「対処に戸惑う」ってありますよね…
だいぶ前の話ですが「B♭m7」が出てきた時に「それ、D♭M7と同じだから…」というアドバイスを受けたのです。
でもこの時は、即座に反応ができず「コードのタイプも、Rootも違うし… どういうこと?」となったのでした。
いわゆる「代理コード」とか、そういった類の話だろうと察しは付くものの、今ひとつ頭が廻りませんでした。
こんな感じで「これ同じだから」という表現がジャズの世界では頻繁に出て来る… しかしこれ「かなり大切な事柄」だったというお話しです。
とりあえず音源を聞いてみてください。
まずは、メロディー無しの「バッキングだけ」です。コード進行は下の通り…
これは「代理コードのオンパレード」という作りになっていて、
楽譜にある縦の色分けは「代理・代用」が出来ると言われるコード達のエリアです。

コードだけで聞くと「雰囲気や空気感」がそれぞれ違いますよね。
ところがこの上に「同じ様なフレーズ」を乗せてみると…
どうですか?
雰囲気や空気感がそれぞれに違っていても
それなりにハマって聞こえますよね。
下の楽譜は、さっき上に乗せた「フレーズのパターン」を書き出しています。
もう一度、音源と照らし合わせて音符を追ってみてください。
3段目の4小節間は、同じ動きを繰り返しますがバックのコードが変わっています。

また、このパターン(2小節)は色分けしている枠の中で「自由に組替え可能!」です。
最初の音源「バッキングだけ」を使って、実際に試してみてください。
どうですか? バックのコードが何であれ「ちゃんとハマって」くれませんか⁉︎
これが「代理・代用出来る」ということな訳です。
さっきの「同じ」とはまさに「この感覚」だった…
これが掴めて来ると「かなり自由」に「また楽」にもなれます!
アナライズ
「CM7」の構成音は「ドミソシ」ですが、この上にテンションを重ねて行くと
次のようになります。(赤色の音符はアボイドです)
そしてコードネームを設定すると…

こんな感じで、まず「CM7」と「Em7」を出してこれます。
そしてアイオニアンの考え方でも「ラ」が使えるので「Am7」もOK!
これにテンションを加えると「Am9」でも使えます。
同様に「FM7」では、「Am7」「Dm7」「Dm9」が「代理・代用として」使えます。

さっきのコード進行では、最後に「B♭M7」も出てましたが、
これはちょっと「いわく付き」なので「★」をつけました。

「B♭M7+テンション」から使えるコードを探してみると、
「Dm7」「FM7」「Am7」「Gm9」となる。
この中の「Dm7」「FM7」が共通なので「同じように使えるコードの仲間」に加えました。
特に「ミ」の音は「#11th」というテンションとなって「独特の世界観を醸し出せる!」…
また「シ♭以外の音は、Cメジャーのダイアトニックスケール」になっているので、
Cキーの中では扱い易い音の並びになる訳です。
こんな要領で、結局3〜4小節目の縦のラインは、全て「Fリディアンで弾き切れる」…
そして、1〜2小節目の縦のラインは、「Cアイオニアンで弾き切れる」(ファはアボイド)
これが「これって同じだよね!」のカラクリです。
冒頭にあった「B♭m7… それ、D♭M7と同じだから…」というアドバイスは、
このことを言ってくれていたという話だったんですね。